J1 26-27シーズン第3節、エディオンピースウイング広島に川崎フロンターレが乗り込む。開幕2連勝で首位を射程に入れる広島と、ボールを握りながら結果が伴わない川崎——対照的なスタートを切った2チームの激突が今節の焦点だ。
広島:7得点・1失点の完璧なスタート
バルトシュ・ガウル監督率いるサンフレッチェ広島は、開幕2試合で7得点・1失点(勝ち点6・第2位)というインパクトのある数字を残した。
攻撃の軸は鈴木 章斗だ。2試合で3得点をマークし、npxG(1.20)を大幅に上回るペースで得点を重ねている。前節の評価スコアは8.2とリーグ上位水準にあり、2026年(百年構想リーグ)から引き続き高い決定力を示す。
広島の攻撃を特徴づけるのは、ポゼッション53%という中位水準の保持率でありながら、1試合平均24.5本のシュートを生み出す設計の巧みさだ。中野 就斗・東 俊希のウイングバックコンビが高い位置を取り続け、川辺 駿がボール奪取からトランジションを加速する。前線では加藤 陸次樹がセカンドストライカーとして鈴木を支える。
守備面では佐々木 翔・荒木 隼人を中心とした3バックが高水準で機能し、GK大迫 敬介が最後の砦を担う。2026年(百年構想リーグ)の失点期待値(xGA)はリーグ最少の16.0(1位)を記録しており、今季もその堅守は継続している。
懸念材料の一つは浅野 拓磨のケガ(ふくらはぎ、3試合欠場中)。ただし前線の選択肢は十分に確保されており、致命的な影響は限定的とみられる。
川崎:62%保持でも結果が伴わないジレンマ
長谷部茂利監督の川崎フロンターレは、開幕2試合を0勝2引き分け(勝ち点2・第13位)で消化した。平均ポゼッション62.5%(J1上位水準)を誇りながら、得点は計3点・決定率8.1%に留まり、保持と結果のギャップが広がっている。
前線の主力家長 昭博(14試合欠場)と小林 悠(15試合欠場)を揃って欠く状況が、攻撃の連携と完成度に影響を与えている可能性が高い。
その穴を埋めているのがラザル・ロマニッチだ。開幕2試合で2ゴール(npxG 1.00)をマークし、攻撃を牽引している。伊藤 達哉もnpxG 0.80と決定機の創出に貢献しているが、最後の精度が勝ち点に結びついていないのが現状だ。
2026年(百年構想リーグ)東地区ではxGAがリーグ下位水準にあった川崎だが、今季の引き分け2試合では失点も3点にとどまり、守備の立て直しに着手しているシグナルは見える。
戦術的構図:3-4-2-1 対 4-2-3-1
広島は2026年から継続する3-4-2-1を軸に、守備ブロックを高めに設定しながら縦に速い攻撃を展開する。ウイングバックの推進力と2シャドーのコンビネーションが攻撃の核だ。
川崎の4-2-3-1は脇坂 泰斗・山本 悠樹のダブルボランチを中心にボールを組み立て、マルシーニョのスピードでカウンターに転じる形を志向する。橘田 健人・丸山 祐市が守備の強度を担い、広島のプレッシャーに対抗する。
ポイントは「広島のハイプレスが川崎の最終ラインを追い込めるか」だ。川崎の保持網が広島の中盤の圧力で窒息すれば、鈴木章斗らへの縦パスが生き、広島優位の展開になる。逆に川崎がビルドアップを安定させ、3バックの両翼スペースをサイドチェーンで突けば、川崎にも決定機が生まれる。
H2H(直近3試合):広島3勝0分0敗(広島視点)。一方、広島ホーム通算では7試合で川崎が3勝・広島2勝・2分と、ホームアドバンテージだけでは語れない歴史がある。
勝敗のカギ
広島は2試合累計でnpxG(6.51)を上回る7得点を記録しており、得点力には幸運な上振れ(+1.25)が含まれる。川崎は反対にnpxG(3.22)とほぼ期待値どおり(乖離 −0.13)で、数字上は互いに正常化が見込まれる構図だ。
しかし広島の真の強みは守備の組織力にある。2026年のxGA最少クラブとしての土台が今季も機能している限り、先制点を守り切る可能性は高い。川崎の勝機は、ラザル・ロマニッチが引き続き期待値超えを続け、広島の3バック両翼のスペースを繰り返し突くことに掛かっている。
GKスベンド・ブローダーセンの守備圏カバーと広島の強度ある前線プレスのぶつかりが、試合の流れを決定づける局面になりそうだ。
⚡ スタメン速報 — 発表を受けてプレビューを更新
両チームのスターティングラインアップが発表された。キックオフ直前、プレビューを最新情報で更新する。
サンフレッチェ広島 先発(3-4-2-1)
| # | 選手 |
|---|---|
| 99 | 大内 一生 |
| 33 | 塩谷 司 |
| 4 | 荒木 隼人 |
| 19 | 佐々木 翔 |
| 7 | 東 俊希 |
| 6 | 川辺 駿 |
| 35 | 中島 洋太朗 |
| 15 | 中野 就斗 |
| 22 | セバスティアン アレー |
| 10 | 鈴木 章斗 |
| 11 | 加藤 陸次樹 |
控え: 大迫 敬介(1)/ 山﨑 大地(3)/ 新井 直人(5)/ 川村 拓夢(8)/ 松本 泰志(14)/ Takaaki Shichi(16)/ 菅 大輝(18)/ 鮎川 峻(23)/ 小林 志紋(45)
川崎フロンターレ 先発(4-2-3-1)
| # | 選手 |
|---|---|
| 49 | スベンド ブローダーセン |
| 3 | 谷口 栄斗 |
| 4 | ペドロ ホマーノ |
| 5 | 佐々木 旭 |
| 29 | 山原 怜音 |
| 6 | 山本 悠樹 |
| 8 | 橘田 健人 |
| 17 | 伊藤 達哉 |
| 14 | 脇坂 泰斗 |
| 23 | マルシーニョ |
| 9 | ラザル ロマニッチ |
控え: Louis Thébault-Yamaguchi(1)/ 三浦 颯太(13)/ 大関 友翔(16)/ Kazuya Konno(18)/ 河原 創(19)/ 持山 匡佑(20)/ フィリップ ウレモヴィッチ(22)/ 長 璃喜(34)/ Rin Homma(36)
予想どおり広島はガウル監督の鉄板3-4-2-1。セバスティアン アレーが鈴木 章斗と並ぶ2シャドー起用が確定し、前線の迫力は十分だ。川辺 駿が中盤のエンジンを担い、中島 洋太朗・中野 就斗のウイングバックコンビが高い位置を取り続ける。
川崎はラザル ロマニッチがここでも先発。脇坂 泰斗と山本 悠樹のダブルボランチが広島の前線プレスをどう剥がすかが、この試合の最大の見どころになる。GKスベンド ブローダーセンのフィードで川崎がビルドアップの糸口を掴めるか——そこに試合の行方が凝縮されている。
