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サンフレッチェ広島 vs 名古屋グランパス プレビュー

By JPick Data Team | 執筆: 2026年8月31日 J1 26-27シーズン 第5節 | Edion Peace Wing Hiroshima | 2026年9月2日(水)19:00 キックオフ

広島は26-27シーズン4試合で2勝2分・勝点8(4位)——xG/試合 2.37 と被xG/試合 0.60 でいずれもJ1 1位の「攻守双冠」を維持する。対する名古屋は2連敗スタートから2連勝(LLWW)で巻き返し、勝点6(8位)。支配率 60.8%(J1 2位)でゲームを主導しながらxGは1.54(J1 8位)——量と質の乖離を抱えたまま、広島のホームへ乗り込む。3-4-2-1 vs 3-4-2-1のミラーフォーメーションが描く第5節の焦点は「先制点と変換効率の差」だ。

注目ポイント 3 点

  1. 広島の攻守双冠はどこから生まれるか — xG・被xG いずれもJ1 1位の原動力は、東 俊希(クロッサー)ら WB の高い位置取りと、被xG 0.60 が示す守備ブロックの堅牢さにある(→ ①)\
  2. 名古屋の「支配率 60.8% / xG 1.54」という断絶稲垣 祥高嶺 朋樹が中盤を制御しながら、xGは支配率の割に低いJ1 8位。その構造と第5節への影響(→ ②)\
  3. 3-4-2-1のミラー戦——WBが先制機を作るか — 同フォーメーション対決の焦点は東 俊希(広島・クロッサー)vs 徳元 悠平(名古屋・クロッサー)の両WB対決と、先制点がゲームを決める構造(→ ③)

① 広島の攻守双冠 — xG 2.37 と被xG 0.60 が示す完成度

攻撃の確かさ — チャンスの量と質を両立

広島の26-27シーズン4試合における1試合平均xGは 2.37(J1 1位)。1試合平均チャンス創出数は 16.5(J1 1位)、シュート数も 20.3 本とリーグ随一の攻撃量を維持している。量だけでなく質も伴っており、ウイングバック(WB)からのクロスとシャドーへの縦パスが連動してエリア内でのシュート機会を生み出す設計が機能している。

得点を牽引するのは 鈴木 暁斗(ストライカー)だ。R1〜R4を通じて非PKゴールは 3、xGは 1.8 と期待値を大きく上回る決定力を発揮している。加藤 陸次樹も同期間に1得点(npxG 1.8)と前線に二枚の「変換効率が高い」オプションを備える。バルトシュ・ガウル監督が今季確立したパターンは、3-4-2-1のWBが相手の守備ラインを広げ、中盤の川辺 駿と中島 洋太朗(ボールハンター)がセカンドボールを回収してシャドーへ届けるサイクルだ。

守備の堅牢さ — 被xG 0.60(J1 1位)と2クリーンシート

守備のスタッツは攻撃と同様に際立つ。1試合平均被xG 0.60(J1 1位)、クリーンシート 2——今季4試合で失点はわずか 2(得点8)。デュエル勝率は 54.2%(J1 2位)と球際の強度も高く、中野 就斗(ドリブラー、CB)と佐々木 翔(ボールハンター、CB)が3バックの中核として相手の前線を押し込む役割を担う。

xG・被xG 双方でJ1 1位を維持することは、攻守が有機的に結びついた設計の証拠だ。前線からのプレッシングで相手のビルドアップを乱し、中盤で奪って素早く展開する——このサイクルが被xGA を低く抑えながら攻撃の xG を押し上げる。

浅野 拓磨(ふくらはぎ)と Douglas Vieira(膝)の2名が欠場見込みで前線のオプションは絞られるが、鈴木 暁斗と加藤 陸次樹が中心を担う構成は4試合で安定した成果を残している。

指標(26-27シーズン R1-R4) サンフレッチェ広島 名古屋グランパス
順位(勝点) 4位(8pt) 8位(6pt)
成績 2勝2分0敗 2勝0分2敗
xG/試合 2.37(J1 1位) 1.54(J1 8位)
被xG/試合 0.60(J1 1位) 1.33(J1 10位)
チャンス創出/試合 16.5(J1 1位) 13.8
デュエル勝率 54.2%(J1 2位) 約54%(J1 3位前後)
ボール支配率 60.8%(J1 2位)
クリーンシート 2 0
得点 / 失点 8 / 2 6 / 5

② 名古屋の支配率パラドックス — 60.8% を握りながら xG が 1.54 に留まる理由

支配率 60.8%(J1 2位)の中盤設計

名古屋が今季4試合で積み上げた平均支配率は 60.8%(J1 2位)。稲垣 祥(アンカー)が中盤の底でゲームをコントロールし、今夏に北海道コンサドーレ札幌から加入した高嶺 朋樹(MF)がビルドアップの新たな選択肢として機能している。1試合平均チャンス創出数も 13.8 と高水準にあり、ボールを握って攻撃を設計する能力はリーグ上位水準だ。

量と変換の断絶 — xG 1.54(J1 8位)の原因

問題は「支配」が「高 xG のシュートチャンス」に変換されていないことだ。支配率 J1 2位でありながら、1試合平均xGは 1.54(J1 8位)。支配率とxGの順位差(2位→8位)は、ポゼッションの多くをエリア外の低 xG シュートや横パスで消費していることを示唆する。エリア内への侵入頻度またはシュートポジションの質が課題だ。

マルクス ヴィニシウスの長期離脱(脛骨・腓骨骨折)で前線のオプションが絞られていることも一因として考えられる。今季のxGトップは稲垣 祥(1得点・npxG 1.1)で、アンカーが得点機会のトップに立つ構造は前線の変換力の課題を反映している。

LLWW の背景 — 後半2節での修正

4試合の成績は2勝0分2敗(勝点6)。第1節・第2節の2連敗は守備(被xG 1.33・J1 10位)と変換効率の課題が重なった結果だ。第3節・第4節の連勝はその修正の果実だが、4試合を通じてクリーンシートはまだない。今節に勝利すれば暫定4位(勝点9)浮上の可能性があり、広島のホームで数字を覆す意欲は高い。


③ 3-4-2-1 ミラー — WB が切り拓く先制機

同フォーメーションが生む「WB対WB」の構造

広島(3-4-2-1)vs 名古屋(3-4-2-1)——両チームが同じフォーメーションを採用することで、試合の構造はウイングバック(WB)対決と中盤のプレス強度の差に集約される。

広島の左WB・東 俊希(クロッサー)は今季を通じて攻撃の起点として機能し、サイドからのクロス供給が広島の高い xG を生み出す重要な要素だ。デュエル勝率 54.2%(J1 2位)の広度で相手 WB を押し込みながら、高い位置でのボール保持を続けることで広島の得点パターンが発動する。

名古屋の徳元 悠平(クロッサー)は広島の守備 WB 側と直接対峙する形になる。広島の 3 バック + 川辺・中島のダブルピボットがデュエルで上回れば、名古屋の起点を消してカウンターへの移行を促せる。

広島の勝ち筋 — 前半に先手を取って被xG 0.60 で守り切る

広島の今季データは「先制した場合の試合運び」に一貫性がある。被xG 0.60(J1 1位)の守備ブロックが機能している間は、失点のリスクが低い。前半に鈴木 暁斗またはシャドー経由でリードを奪えば、守備力を背景に逃げ切るシナリオが現実的になる。

ガウル監督の設計は前半から WB が高い位置を取り、相手のシャドーまたはWBを背後に引き付けながら中盤でボールを奪取するパターンだ。名古屋のビルドアップに圧力をかけてボール奪取地点を前方に置ければ、xG 2.37 の攻撃量をより危険なゾーンで発揮できる。

名古屋の勝ち筋 — 支配率を活かして前半を無失点で折り返す

名古屋最大の武器は 60.8% の支配率だ。広島のプレスを躱し、稲垣 祥と高嶺 朋樹の中盤コンビでボールを循環させることで、広島の守備ブロックを時間的・体力的に消耗させる狙いがある。前半を無失点で折り返せれば後半の交代策で局面を動かすオプションが生まれ、ポゼッション能力が活きる展開になる。

藤井 陽也(ボールハンター、DF)が3バックの起点として安定した配球を担うことで、後方からのビルドアップの精度が保たれるかが前半の行方を左右する。

H2H の傾向

広島ホームでの直近7試合(通算)の成績は広島 5勝0分2敗。数字の上では広島が大きく上回るが、名古屋が勝利した2試合はいずれも名古屋のカウンター局面での得点が決め手だった。今節も名古屋が「守備を固めて先制を防ぎ、カウンターで一撃」という展開に持ち込めれば、番狂わせの余地はある。


結論

①広島の攻守双冠(xG 2.37・被xG 0.60 いずれもJ1 1位)、②名古屋の支配率 60.8% vs xG 1.54 の変換ギャップ(J1 2位の支配率が8位のxGに留まる構造)、③3-4-2-1ミラーが生むWB先制機の争い——3点が示す構図は「先制点で試合の設計が大きく変わる」だ。

広島が前半に先制できれば、被xG 0.60 の守備力を背景に逃げ切るシナリオが現実的になる。名古屋が前半を無失点で折り返せれば、60.8% の支配率を梃にした後半の反攻が選択肢に入る。数字の対比は鮮明——広島はxG・被xG の質で上回り、名古屋は支配時間の長さで対抗する。

何を観れば本質が分かるか——前半のWB対決と、どちらが先に高 xG のシュートチャンスを作り出すかだ。


データ提供: SportMonks

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