横浜F・マリノス vs 水戸ホーリーホックJ1 2026-27 第8節 | 決定率J1 4位の横浜FMと両チーム得点率J1 1位の水戸——xG乖離が示す「上振れ」の実態
By JPick Data Team 執筆: 2026年9月16日 J1 リーグ 2026-27 第8節 | Nissan Stadium | 2026年9月19日(土)19:30 キックオフ
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 大会 | J1 リーグ 2026-27 第8節 |
| 開催日 | 2026年9月19日(土)19:30 |
| 会場 | Nissan Stadium |
横浜FMは9位(勝点11)、水戸は11位(勝点9)——2ポイント差の隣接した順位の裏に、2チームに共通する「データ上の謎」が潜んでいる。 どちらも7試合の基礎ノンPK期待ゴール差(npxGD)はマイナスでありながら、横浜FMは実ノンPKゴール差+2、水戸は0という成績を残している。「期待値以上の結果を出し続けているチーム同士の激突」という構造が、この第8節の核心にある。横浜FMは決定率J1 4位(13.6%)とxG乖離+5.9で成績をつくり、水戸は両チーム得点率J1 1位(86%)と渡邉 新太の得点力(5得点、np得点がnpxGを+2.9上回る変換効率)で中位に踏みとどまる。3つの視点でその中身を解剖する。
注目ポイント 3 点
1. 横浜FMのxG乖離+5.9——基礎値との「乖離の大きさ」が示すもの 実ノンPKゴール差(+2)と基礎値(−3.9)の差は+5.9。期待値比較では苦しいはずの内容を、決定率J1 4位(13.6%)という変換精度で覆している。谷村 海那(6得点、npxG比+3.0の過超)がその中心にいる(→ ①)
2. 水戸の「両チーム得点率J1 1位86%」——0クリーンシートの裏に何があるか 7試合中6試合で双方がゴールを記録。水戸は7試合中6試合で得点しながら、クリーンシートはゼロ。シュート被弾平均16.1本・支配率J1 19位という守備への圧力が常態化している(→ ②)
3. 横浜FMの「終盤の落とし穴」——失点の78%が61-90分に集中 9失点中7点が試合の最終30分に集中。一方で水戸の今季得点は36%が16-30分に記録されている。この時間帯のミスマッチが試合の構造に何をもたらすか(→ ③)
① 横浜FMのxG乖離——決定率J1 4位が生む結果と、61-90分の守備の落とし穴
26-27シーズン第7節終了時点のデータ対比
| 指標(26-27シーズン R1-R7) | 横浜F・マリノス | 水戸ホーリーホック |
|---|---|---|
| 順位(勝点) | 9位(11pt) | 11位(9pt) |
| 成績 | 3勝2分2敗 | 2勝3分2敗 |
| xG平均(攻撃) | 1.1(J1 16位) | 1.3(J1 11位) |
| 決定率 | 13.6%(J1 4位) | 12.6%(J1 6位) |
| xGA平均(被xG) | 1.7(J1 14位) | 1.6(J1 12位) |
| xG乖離(実績 vs 基礎値) | +5.9(実+2 vs 基礎−3.9) | +3.3(実0 vs 基礎−3.3) |
| 両チーム得点率 | 57%(J1 8位) | 86%(J1 1位) |
| クリーンシート | 3 | 0 |
横浜FMの最も鮮明な特徴は「実力値(基礎xGD)と結果の乖離」にある。7試合で積み上げた実ノンPKゴール差は+2だが、基礎となるノンPK期待ゴール差は−3.9。この+5.9の差は、決定率13.6%(J1 4位)という変換精度が積み重なった結果だ。xG平均1.1(J1 16位)と机上の期待値は低いながら、生み出した少ないチャンスを高い効率で得点へ変換している。
エンジンを担っているのは谷村 海那(7試合6得点、np得点5、npxG2.0——np得点がnpxGを+3.0上回る変換効率)だ。直近5試合のフォームはW-L-D-W-D(直近3試合は無敗)で、全7試合で得点(無得点ゼロ)・クリーンシート3枚を記録している。
ただし守備には構造的な課題もある。ルベン ブランコ(GK・膝内側靭帯断裂、3試合欠場)と遠野 大弥(アキレス腱断裂、23試合欠場)が離脱中。特に後述するように、61-90分の失点集中という傾向が数字として現れている点は見落とせない。
② 水戸の「両チーム得点率J1 1位」——7試合すべて得点・無クリーンシートの構造
水戸 26-27シーズン主要指標
| 指標(水戸 26-27シーズン R1-R7) | 数値 |
|---|---|
| 両チーム得点率 | 86%(J1 1位) |
| xG乖離 | +3.3(実0 vs 基礎−3.3) |
| シュート被弾平均 | 16.1本/試合 |
| 支配率平均 | 42.1%(J1 19位) |
| 決定率 | 12.6%(J1 6位) |
| クリーンシート | 0(全7試合で失点) |
水戸の両チーム得点率86%(J1 1位)は、7試合中6試合で自チームも相手チームも得点するというオープンな展開を示している。支配率42.1%(J1 19位)と低く、シュート被弾平均16.1本は守備への圧力が常態化していることを物語る。それでも実ノンPKゴール差はゼロ(実0 vs 基礎−3.3)で、横浜FMと同様に基礎値を上回る成績を残している。
得点の原動力は渡邉 新太(7試合5得点、np得点4、npxG1.1——np得点がnpxGを+2.9上回る変換効率)。基礎期待値のほぼ3.6倍の変換率であり、エース依存度は高い。直近フォーム(W-D-W-D-L)では前節の敗戦で今季唯一の無得点を記録し、7試合中6試合続いた「両チーム得点」が途絶えた。
4選手が欠場中:フォファナ マリック(ハムストリング、22試合欠場)、岩﨑 博(脛骨骨折、10試合欠場)、上山 海翔(指の怪我、34試合欠場)、島谷 義進(腰椎障害、25試合欠場)。
③ 試合を分ける時間帯——横浜FMの「終盤の落とし穴」と水戸の「序盤の攻勢」
横浜FMの失点時間帯(26-27シーズン通算)
| 時間帯 | 失点数 | 割合 |
|---|---|---|
| 0-15分 | 1 | 11% |
| 16-30分 | 0 | 0% |
| 31-45分 | 1 | 11% |
| 46-60分 | 0 | 0% |
| 61-75分 | 3 | 33% |
| 76-90分 | 4 | 44% |
横浜FMの今季9失点のうち7点(78%)が61-90分に集中している。前半と後半立ち上がりの安定性が際立つ一方、試合終盤になるにつれ守備強度が落ちる傾向が数字に現れている。
一方で水戸の今季11得点のうち4点(36%)は16-30分に集中しており、早い時間帯の攻勢が最大のパターンだ。横浜FMが最も安定している時間帯に水戸の攻勢が集中し、横浜FMが最も苦手な時間帯(61分以降)には水戸の得点パターンは分散している——この非対称性が試合の展開にどう作用するかは注目点の一つだ。
日産スタジアムの傾向(2020年以降・102試合)
| 指標 | 数値 |
|---|---|
| 平均ゴール数 | 2.91点/試合 |
| 総得点2.5以上の割合 | 56% |
| ホーム勝利割合 | 50% |
百年構想リーグでのH2H
| 日付 | ホーム | スコア(90分) | アウェイ | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 2026-05-02 | 横浜FM | 1-1 | 水戸 | PK戦 |
| 2026-03-18 | 水戸 | 1-0 | 横浜FM | 水戸勝利 |
直近2試合はいずれも百年構想リーグ(引き分けなし・PK戦決着フォーマット)での記録。日産スタジアムでの対戦(2026年5月)は90分1-1でPK戦へ、水戸ホームでの対戦は水戸が1-0で勝利した。26-27シーズン(引き分けあり)のJ1とはルール・文脈が異なる。
順位変動シミュレーション(90分決着のみ)
| シナリオ | 横浜FM | 水戸 |
|---|---|---|
| 現在 | 9位(11pt) | 11位(9pt) |
| 横浜FMが勝利 | 6位(14pt) | 11位(9pt) |
| 水戸が勝利 | 10位(11pt) | 8位(12pt) |
