水戸 vs 広島J1第13節プレビュー監督不在・7名離脱で迎えるxG四冠の広島
By JPick Data Team
執筆: 2026年10月28日
26-27シーズン J1 第13節 | 水戸信用金庫スタジアム | 2026年10月31日(土)14:00 キックオフ
10月26日、水戸ホーリーホックがクラブ公式で「樹森大介監督 解任のお知らせ」を発表した。後任未定のまま7名の主力が離脱中の17位水戸ホーリーホックと、xG・被xG・支配率・チャンス創出の4指標すべてでJ1首位に立つ3位サンフレッチェ広島が対戦する。広島が勝てばJ1首位浮上——この一戦が持つ意味は試合結果にとどまらない。
注目ポイント 3点
- 監督解任発表(10月26日)と7名の主力離脱が重なる水戸。FW渡邉 新太(9月26日〜)・FW内野 航太郎(10月11日〜)を含む前線の核が不在で、今季1試合平均xGは0.9(J1 20位)。(→ ①)
- 広島の1試合平均xGは2.3・被xGは0.7・支配率61.8%・チャンス創出16.1と、4指標がすべてJ1 1位。FW鈴木 章斗は9得点・npxG比+2.5の決定力を発揮している。(→ ②)
- 水戸は直近5試合で13失点。被npxGの9.32を3.68上回り、守備が期待値以上に崩れている。今季12試合でクリーンシートゼロというシーズン通算の事実もある。(→ ③)
① 水戸——監督不在と7名の離脱が重なる危機
| 指標(26-27シーズン・第12節終了時点) | 水戸 | 広島 | J1順位 |
|---|---|---|---|
| 1試合平均xG | 0.9 | 2.3 | 水戸 20位 / 広島 1位 |
| 1試合平均被xG | 1.7 | 0.7 | 水戸 17位 / 広島 1位 |
| 支配率 | 43.6% | 61.8% | 水戸 16位 / 広島 1位 |
| チャンス創出(1試合平均) | 8.1 | 16.1 | 水戸 18位 / 広島 1位 |
| クリーンシート | 0 | 7 | — |
xG(期待ゴール)= シュートの質・位置・状況から算出した得点期待値。出典: JPick データベース(26-27シーズン、第12節終了時点)
第13節時点、水戸の離脱者は7名にのぼる。今季8試合出場で5得点を挙げていたFW渡邉 新太は9月26日から膝内側靱帯断裂で戦線を離れており、FW内野 航太郎も10月11日からハムストリング負傷で出場できていない。この2選手が今季計6得点をマークしながら、npxG合計は約2.2にとどまる——つまり期待値を大幅に上回るシュートを決めていた主力が欠けた状態で広島を迎える。
さらに9月加入のDF河面 旺成(10月4日〜)、岡本 一真(10月15日〜)も離脱中で、今冬補強した選手も複数が稼働できない。
チームの数字もこの苦境を映す。1試合平均xGは0.9でリーグ最下位(J1 20位中20位)。チャンス創出数は1試合平均8.1(J1 18位)、支配率43.6%(J1 16位)と、攻守両面でJ1内の位置づけは厳しい。今季12試合でクリーンシートはゼロ。リーグ戦では直近5試合がすべて敗戦だ。
仙波大志——古巣との対戦
MF仙波 大志は2026年7月1日にサンフレッチェ広島から水戸へ移籍した。今節は前所属クラブとの古巣対戦となる。
② 広島——J1四冠統計とフィニッシャー鈴木章斗
広島の攻守データは26-27シーズンのJ1において4指標をそろって制している。1試合平均xGは2.3(J1 1位)、被xGは0.7(同1位)、支配率は61.8%(同1位)、チャンス創出数は16.1(同1位)。ボールを握り、質の高いシュートを重ね、相手の攻撃の芽を摘むサイクルが、数字の一貫性として現れている。
シーズン通算のxG乖離は−0.34にとどまり、実ノンPKゴール差+17と期待ノンPKゴール差+17.3がほぼ一致する。好成績が「実力値」に裏付けられていることを示す数字だ。
鈴木章斗と攻撃の多面的な構造
攻撃の核を担うFW鈴木 章斗は今季全12試合で9得点。PK除きのnp得点8に対してnpxGは5.5で、差は+2.5となる。DF東 俊希は今季のプレースタイル指標でチャンスメーカーJ1 1位(上位1%)に位置し、サイドからの攻撃起点を担う。DF荒木 隼人はエアバトラーJ1 3位(上位7%)で制空権を握る。
広島にも2名の離脱者がいる。山﨑 大地は8月26日から前十字靱帯損傷で離脱中、もう1名は2024年11月から長期離脱中で今季の稼働実績はない。主力への影響は限定的だ。
今節勝利すれば勝点29となり、27勝点の1位町田・2位FC東京を上回ってJ1首位に浮上する。
③ データから見る展望
水戸の直近5試合の数字は、チームが置かれた状況の厳しさをそのまま示している。失点13、被npxG 9.32——守備が期待値を3.68上回って失点に結びつけてしまっている。シーズン通算でも失点22(J1 12節終了時点)、被xGA avg 1.7(J1 17位)とくに改善の兆しが数字に出ていない。
広島はアウェイ戦で3勝1分2敗、ホームの5勝1分0敗に比べると幾分安定感を欠く局面もある。水戸のホーム失点(8)がアウェイ失点(14)と比べて少ない点も、ホームゲームとしての要素として存在する。
ただ、攻守4指標でJ1首位に立つ広島と、7名を欠き指揮官不在の水戸では、データの差は明白だ。水戸に活路があるとすれば、コンパクトな守備ブロックで東 俊希のチャンスメーカーとしての仕掛けを封じ、カウンターに賭ける展開だろう。だが今季一度も達成できていないクリーンシートを、この陣容で実現できるかが問われる。
26-27シーズンの首位争いとも絡む一戦。両チームのスコア確率マトリクスやプレースタイル指標の詳細はアプリで確認できる。
