東京ヴェルディ vs FC東京J1第10節 プレビュー監督交代初陣の最下位が挑む、4連続完封の鉄壁
J1 第10節 | 味の素スタジアム | 2026年10月17日(土)14:00 キックオフ
最下位の東京ヴェルディが監督交代直後の初陣で、リーグ戦4連勝中のFC東京に挑む東京ダービー。勝点差は16。それでもこの一戦を単純に語れないのは、「味の素スタジアムでこの2チームが対戦すると、なぜかゴールが決まらない」という歴史があるからだ。
| 指標(26-27シーズン 第9節時点) | 東京ヴェルディ | FC東京 |
|---|---|---|
| 順位・勝点 | 20位・4pt | 4位・20pt |
| フォーム(直近5試合) | ●△△●● | △○○○○ |
| 平均xG(リーグ順位) | 0.9(20位) | 2.0(2位) |
| xG乖離(シーズン通算) | −3.79 | — |
| リーグ戦連続完封 | — | 4試合 |
| 直近5試合:失点 vs 被npxG | 8 vs 6.06 | 1 vs 5.27 |
出典: JPick データベース(26-27シーズン 第9節時点)
注目ポイント 3点
- 東京V — 9試合4得点・xG乖離−3.79の決定力難と、10月8日付けの新監督就任
- FC東京 — 直近5試合で被npxG 5.27に対し1失点という守備の異常値と中2日の連戦
- 味スタの引き分け — 直近3対戦すべてスコアレスドロー、このスタジアムで東京Vはホーム勝利も敗北もない
① 東京V —— 得点力の危機と監督交代
東京ヴェルディは9試合を終えて勝点4、20位(最下位)。直近のリーグ戦フォームは「●△△●●」でリーグ戦2連敗中と、上向きの気配はない。
最大の課題は得点力だ。今季の総得点は9試合でわずか4、平均xGは1試合0.9でリーグ20位(最下位)という数字がその実態を映している。注目したいのが今季通算のxG乖離で、実際のゴールが期待値を3.79下回っている。これはリーグ最低水準の決定力不足と言ってよい。
具体的には、染野 唯月(FW)が9試合で0得点ながらxG 2.1を積み、福田 湧矢(FW)も8試合0得点でxG 1.4。主力FW2人だけで3.5のxGを生み出しながら得点がゼロという状況だ。直近5試合でも、PK除く得点は2に対してnpxGは4.2と、決定力難は継続している。
こうした状況を受け、クラブは10月6日に「城福 浩 監督 契約解除のお知らせ」を発表。2日後の10月8日、「新監督就任にあたりファン・サポーター、関係者の皆様へ」という発表でチームの再スタートを宣言した。新体制の初陣がリーグ戦4連勝中のFC東京との東京ダービーとなる。
染野はプレースタイルとして「ポストプレーヤー」の役割を持つ選手で、3-4-2-1の最前線を担う。このxGを得点に変える突破口を見つけられるかが、東京Vの浮沈を握る。
9月には3選手が合流した。一美 和成(ファジアーノ岡山から)、藤本 寛也(バーミンガム・シティからローン)、チョ ユミン(アル・シャルジャから)。新体制とともに、これらの9月加入組がどう絡むかも興味深い。
離脱者も多い。宮原 和也(9月10日から)、森田 晃樹(9月10日から)、寺沼 星文(9月10日から)など複数選手が継続離脱中だ。
② FC東京 —— 主力を欠きながら続く鉄壁
FC東京は4位・勝点20。直近フォームは「△○○○○」でリーグ戦4連勝中。この試合でFC東京が勝てば勝点23となり、首位の柏レイソル(勝点21)を超えてその日の首位浮上が確定する。
今のFC東京で際立つのは守備の数字だ。リーグ戦直近4試合でゴールを一度も許しておらず、シーズン通算6クリーンシート。被xG平均1.2はリーグ5位の堅固さを示している。
さらに直近5試合の内容が驚異的だ。被npxGは5.27に対して、PK除く失点はわずか1。失点が期待値を大きく下回る状態——つまり「統計以上に守れている」——が続いており、現在の好調を支えている。リーグ戦9試合連続得点中という攻撃の安定も、積み上げを後押しする。
ただしこの試合には厳しい条件が重なる。前節からの休養日数はわずか2日(中2日)で、いわゆる「連戦」状態での出場となる。
加えて主力の離脱が続く。本間 至恩(FW、9月12日から)と橋本 健人(MF、9月6日から)は現在も離脱中だ。両者はそれぞれ「ウイングストライカー」「クロッサー」というプレースタイルでチームの攻撃に貢献してきた選手で、2人を欠きながらも守備組織は崩れていない。
攻撃では長倉 幹樹(プロフィール)が9試合6得点(xG 3.8)、安斎 颯馬(プロフィール)が8試合4得点(xG 2.5)とゴールを分散して生み出している。マルセロ ヒアン(プロフィール)も9試合3得点(xG 3.6)と複数の選手が得点に絡んでいる。
長友 佑都(9月12日から)、室屋 成(9月29日から)とSB選手の離脱も続いており、中2日の体力消耗を考えると、4連続完封の継続は簡単ではない。
③ 結論 —— 呪縛か、それとも打破か
味の素スタジアムでこの2チームが対戦すると、ゴールが入らない。直近3対戦はすべて引き分け。東京VはこのスタジアムでホームのFC東京戦を、一度も勝ったことも負けたこともない。なお直近の対戦(2026年3月22日)は百年構想リーグで行われた試合で、90分0-0のままPK戦に進んだ一戦だった。
データが示す構図は鮮明だ。東京Vは新体制でこの「引き分け続き」の呪縛を利用して勝点1を拾いたい。FC東京は連戦の疲労と「このスタジアムで点が入らない」ジンクスを抱えながらも、勝てれば首位浮上の大きな一手を打てる。
3-4-2-1の東京Vが4-4-2のFC東京にどう挑むか。染野のポストプレーがどこまで機能するか、そして中2日のFC東京が最終ラインの集中を90分保てるか。勝点差16の一戦でも、フットボールは数字通りに決まらないことがある——その証拠が「味スタの3連続ドロー」だ。
スコア確率マトリクスや各選手の詳細指標はアプリで確認できる。
⚡ スタメン速報 — 発表を受けてプレビューを更新
両チームのスタメンが発表された。キックオフに向けて確定メンバーを確認しよう。
FC東京(アウェイ)
| # | 選手 |
|---|---|
| 4 | 稲村 隼翔 |
| 6 | バングーナガンデ 佳史扶 |
| 7 | 安斎 颯馬 |
| 8 | 高 宇洋 |
| 9 | マルセロ ヒアン |
| 20 | 永野 修都 |
| 22 | 石原 広教 |
| 24 | アレクサンダー ショルツ |
| 26 | 長倉 幹樹 |
| 33 | 俵積田 晃太 |
| 81 | キム スンギュ |
控え: 田中 颯、森重 真人、佐藤 恵允、大森 理生、常盤 亨太、仲川 輝人、鈴木 楓、山田 楓喜、ダニ ゴメス
前節(第9節)からの変更は1人。常盤 亨太がベンチに入り、前節メンバー外だった高 宇洋が先発に復帰した。アレクサンダー ショルツとキム スンギュは今季全8試合先発・9試合連続先発を継続。中2日の連戦でも鉄壁のコアは変わらない。
東京ヴェルディ(ホーム)
| # | 選手 |
|---|---|
| 1 | Matheus |
| 2 | 柴戸 海 |
| 4 | 林 尚輝 |
| 8 | 齋藤 功佑 |
| 9 | 染野 唯月 |
| 14 | 福田 湧矢 |
| 15 | 鈴木 海音 |
| 17 | Hyun-woo Kim |
| 19 | 藤本 寛也 |
| 29 | 佐古 真礼 |
| 40 | Yuta Arai |
控え: 松橋 優安、森田 晃樹、山田 剛綺、平川 怜、長沢 祐弥、内田 陽介、熊取谷 一星、一美 和成、チョ ユミン
前節(第9節)からの変更はゼロ。新体制初陣でも第9節と完全に同じ11人を継続起用した。染野 唯月と福田 湧矢は9試合連続先発を維持。新指揮官はブレない布陣で東京ダービーに臨む。
