← 記事一覧に戻る

V・ファーレン長崎 vs サンフレッチェ広島J1第11節 プレビュー首位広島の攻撃力に、長崎の序盤守備が挑む

By JPick Data Team 執筆: 2026年10月19日

J1リーグ 第11節 | PEACE STADIUM Connected by SoftBank | 2026年10月21日(水)19:00 キックオフ

xG・被xG・支配率・チャンス創出の4指標すべてでJ1 1位に立つ広島が、リーグ戦4連勝の勢いで長崎のホームに乗り込む。対する長崎は、0〜15分に今季全失点の27.78%が集中する序盤守備の急所を抱え、先制を許した5試合での0勝4敗というデータが積み上がっている。90分で最初の得点がどの瞬間に生まれるかが、この試合の骨格を決める。

指標(第10節終了後) V・ファーレン長崎 サンフレッチェ広島
順位・勝点 15位・9点(2勝3分5敗) 1位・23点(7勝2分1敗)
xG平均(J1順位) 1.1(14位) 2.5(1位)
被xG平均(J1順位) 1.5(13位) 0.6(1位)
支配率平均(J1順位) 45.6%(14位) 60.9%(1位)
直近5試合 ●△△○● ○○○○●
離脱者 4名(うち3名は9月以降) 2名

(○=勝・△=引き分け・●=敗)

注目ポイント 3点

1. J1全指標で頂点に立つ広島の攻撃力
xG平均2.5(J1 1位)、被xG平均0.6(J1 1位)、チャンス創出16.8回/試合(J1 1位)。鈴木 章斗は10試合でPK除く7得点・npxG 5.1と期待値を+1.9上回る決定力を維持し、リーグ戦4連勝の広島が長崎ホームに乗り込む。(→ ①)

2. 長崎の0〜15分失点集中と4名の離脱
今季18失点のうち5失点(27.78%)が開始15分以内に発生。9月以降にノーマン キャンベル(ハムストリング)・高畑 奎汰(膝靭帯)・ルカ ラドティッチ(半月板)が相次いで戦列を離れており、守備の再建が問われる。(→ ②)

3. 先制点が決める試合の流れ
長崎が先制した3試合の成績は2勝1分。先制を許した5試合は0勝1分4敗と全く様相が異なる。広島の後半得点力(今季全25得点のうち17得点が後半)と組み合わさると、序盤の1点が試合全体の構図を変える。(→ ③)


① 広島の攻撃力 — J1全指標でトップの実力

サンフレッチェ広島は第10節終了時点でJ1首位・23勝点(7勝2分1敗)。攻撃・守備・ボール保持の全指標でリーグ最高水準を示している。

xG平均2.5(J1 20チーム中1位)、チャンス創出数16.8回/試合(J1 1位)、ボール支配率60.9%(J1 1位)。単純な数値の高さだけでなく、実際のxG乖離も裏付ける。今季の期待ゴール得失点差(基礎値)は+16.7で、実際の得失点差+17とほぼ一致——運による上振れではなく、実力に基づいた首位であることを示している。守備面でも被npxGが6.47あるにもかかわらず実際のnp失点は6にとどまり、守備組織の強さが期待値すら上回っている。

個で際立つ攻撃陣

得点の中心は鈴木 章斗。10試合でPK除く7得点(総得点8)、npxG 5.1に対してnp得点は7——差は+1.9で、期待値を大幅に上回る決定力を継続的に見せる。平均評点7.7はこの試合に出場するすべての選手の中でも際立つ。

プレースタイルの面では東 俊希がクロッサーとして26-27シーズンJ1 1位(上位6%)の評価を受け、サイドからのクロス供給が広島の決定機を生み出す軸になっている。荒木 隼人はエアバトラーとしてJ1 2位(上位6%)でセットプレーの強さを担保し、中野 就斗はポリバレントとしてJ1 1位(上位6%)で攻守の局面に顔を出す。DFの中野 就斗は今季すでに2得点も記録している。

今夏の補強も充実している。7月25日にザルツブルクから川村 拓夢が加入し、7月6日にFCユトレヒトからフリーでセバスティアン アレーが加入。アレーは8試合3得点とすでに結果を出している。

後半に加速する得点パターン

広島の今季25得点のうち前半は8得点(32%)、後半は17得点(68%)と後半に集中している。とりわけリーグ戦ではここ4試合連続勝利(リーグ戦4連勝)、6試合連続得点、3試合連続クリーンシートを継続中だ。長崎が先制を許せば、後半にさらに得点力が増すというこのパターンに直接晒される構図になる。


② 長崎の守備と序盤の脆さ — 0〜15分に失点が集中

V・ファーレン長崎は15位・9勝点(2勝3分5敗)。xG平均1.1(J1 14位)、被xG平均1.5(J1 13位)と攻守ともにリーグ下位に位置し、今季ここまで得失点差は−7だ。

最大の課題は失点の時間帯分布だ。今季18失点のうち0〜15分に5失点(27.78%)が集中する。これは15分刻みのどの時間帯よりも多い。続く46〜60分(5失点・27.78%)や76〜90分(4失点・22.22%)と合わせると、試合の立ち上がりと節目の時間帯に失点が偏っている構造が見える。

期待値との比較でも、今季の実際の得失点差(np換算で−6)はxGベースの基礎値(−3.3)より2.7悪い。この差の背景にはオウンゴール3個(今季計)が含まれており、守備陣のパフォーマンス自体は基礎値通りに近い。ただし数字の背景がどうあれ、現実として失点の多さが順位を押し下げている。

先制点の非対称性

先制点の有無が試合の結果をそのまま決定している。長崎が先制した3試合の成績は2勝1分(勝点7)。先制を許した5試合は0勝1分4敗(勝点1)と、まったく別のチームのような数字だ。

4名の離脱が守備陣を直撃

守備陣への打撃が続く。ノーマン キャンベルは9月19日からハムストリング損傷で、高畑 奎汰は9月13日から膝内側靭帯損傷で、ルカ ラドティッチは9月13日から半月板損傷でそれぞれ離脱が続いている。名倉 巧は長期にわたり戦列を離れている。

アウェイ成績も関係している——長崎のアウェイ5試合は0勝1分4敗・11失点と苦戦が続く一方、ホーム5試合は2勝2分1敗と競争力を見せている。今節は自ホームでの一戦だが、主力不在の守備陣に広島の質の高い攻撃が圧力をかけ続ける90分になる。


③ 先制点の非対称性と長崎の反撃シナリオ

課題を抱えながらも、長崎がこの試合で可能性を持てるシナリオはある。

まず注目すべきは保田 堅心の決定力だ。7月に大分トリニータから加入した保田は、今季J1で5試合出場ながらnp得点2、npxGは0.6——差は+1.4で、限られた出場機会の中で期待値を大幅に超えるペースで得点している。

マテウス ジェズスは今季7試合でnp得点2・評点7.4と質の高いパフォーマンスを見せ、チアゴ サンタナは9試合3得点(npxG 3.4)と期待値通りのペースで得点を積み上げている。

後半終盤に偏る長崎の得点パターン

長崎の今季11得点のうち76〜90分の得点は4点(36.36%)と最も多い。後半終盤まで試合を持ち込んだ際の得点力はチームの特徴のひとつだ。

また、長谷川 元希はリンクマン・フォワードとして26-27シーズンJ1 2位(上位8%)の評価を受けており、攻撃の組み立てで中心的な役割を担う。今季10試合フル稼働で評点7.1を維持しながらも得点はまだないが、前線とのつなぎ役として攻撃に深みをもたらしている。

百年構想リーグでの対戦履歴

直近の対戦は百年構想リーグでの2試合。2026年2月6日の長崎ホームゲームでは長崎 1-3 広島、4月18日の広島ホームゲームでは広島 2-0 長崎——2試合とも広島が勝利し、合計スコアは5-1。長崎にとって今節は26-27シーズンJ1でこの対戦に初めて臨む試合だ。

序盤15分が試合の分岐点

データが示す長崎のシナリオは明確だ。0〜15分を無失点で乗り切り、先制点を奪うこと。先制した3試合は2勝1分(勝点7)、先制を許した5試合は0勝4敗の流れを変えるためには、試合序盤の守備が最初の関門になる。

勝点差の文脈も大きい。長崎が勝てば勝点12で13位に浮上し、降格圏への距離を広げられる。首位・広島にとっても勝てば勝点26で2位以下との差をさらに広げることができる一戦だ。

スコア確率マトリクスや離脱・欠場情報の詳細はJPick アプリをダウンロード(iOS)で確認できる。


結論

xGから支配率まで、今節の数字は広島の実力が構造的なものだと示す——基礎値と実績がほぼ一致し、リーグ戦4連勝はフロックではない。一方の長崎が反撃の根拠を持つとすれば、ホームの地での序盤守備、そして先制時の2勝1分という先制点パターンを活かせるかどうかにかかっている。

0〜15分という最初の15分間が、この試合の結末を決める最大の分岐点となる。

Your J-League Intelligence

この試合の続きをアプリで

データに裏付けられたインサイトを、いつでも手元に。

  • 📊全試合の勝率予測とスコアマトリクス
  • ⚔️チームDNA・スタイル比較
  • ⚡ブレイク候補選手 (Edge Score) 発見
FREE DOWNLOADDownload on the App Store